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2016年8月24日水曜日

イスラーム国の衝撃

この本を紹介する理由

なにかとニュースに出てくる「イスラーム国」。
エネルギーをほぼ国外に依存している日本にとって、中東の情勢は非常に重要だと思っています。(中東以外の国も重要ではありますが。)
イスラーム国しかり、中東の情勢が悪化すれば、石油の値段にダイレクトに響き、大ニュースです。
まずは今起こっていることを把握するため、こちらの本を選びました。

イスラーム教について

こちらのサイトを参考にさせていただきました。
http://www.geocities.jp/timeway/kougi-44.html
私自身もイスラーム教に関してほとんど無知の状態でしたので、簡単に単語レベルでまとめます。
  • 一神教 → キリスト教やユダヤ教と同じ「ヤハウェ」
  • アッラー → 「神」という単語のことであり、神様の名前ではない
  • コーラン → イスラム教の聖典
  • ムハンマド → 預言者
  • スンナ派 → ムハンマドの残した慣行(スンナ)を重視している
  • シーア派 → ムハンマドの血統を重視している
  • 六信五行(ろくしんごぎょう)」 → ムスリムが信じなければならない六つのこと。「六信」とは「神」「天使」「啓典」「預言者」「来世」「天命」。「五行」とは「信仰告白」「礼拝」「断食」「喜捨」「巡礼」の五つ
  • 聖戦(ジハード) → これは、イスラム教徒が異教徒と戦うこと。戦うとは布教活動のことであり、別に戦闘に限った話ではない。また、集団義務の原理により、イスラーム教徒の中でも誰かが行えば良い
  • 終末論 → 審判の日にアッラーが人を善と悪、天国と地獄に分けてしまう

過激派といわれるグループの行動起源

イスラーム教によって世界は統治された、に代表されるイスラーム教は導く側の存在。
しかし実際は、欧米諸国やロシアの言いなりになっている。 → そんなことは許せない!
また、それを許容しているイスラーム諸国も許せない!

ジハードを理由とし、テロを行っているが、別に個人の義務でなければやらなくて良いのでは?
→ 率先して行うものは神からの務めを果たす崇高な存在となりえる。
ニュースなどで使われる略称をこちらに記載します。
  • ISIL(アイシル、Islamic State in Iraq and the Levant) → イラク・レバントのイスラム国
  • IS(アイエス、Islamic State) → イスラム国
  • ISIS (アイシス、Islamic State in Iraq and Syria) → イラク・シリアのイスラム国

イスラーム国の台頭


アラブの春

イスラーム国の台頭を説明する上で、重要な事件として挙げられます。
アラブの春は、2010年から2012年にかけてアラブ諸国にて起こった民主化運動のことです。
これにより中東諸国の統治力が一時的に弱まり、結果としてイスラーム国をはじめとした武装集団が出てきました。
また、アラブの春の特徴として、SNSによる民主化運動の拡散が挙げられます。
下記、Wikipediaのリンクです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%AE%E6%98%A5

カリフ制国家

アラビア語で「後継者」の意味であり、イスラーム国の指導者「バグダーティ」がムハンマドの後継者であることを宣言しました。
自分にはイスラーム共同体の行政を統括し、信徒にイスラームの義務を遵守させる役割があります、と言っているようなものです
(世界の多くのイスラーム教徒からは認められていないようですが。)
これはプロバカンダの一部だとする見方が強いようです。

人質交渉

ニュースやインターネットでも話題になる人質交渉ですが、悲惨な結果になることもあります。
倫理的、人道的には許せることではありませんが、宣伝という見方をすると、非常に興味深いようです。
特に顕著なのは斬首映像だそうです。(私もまだ見たことがないため、あくまで本の内容を引用します。)
わざと「そのとき」を外すことで、「ドラマチック」な演出として、多くの人間の目に触れるようにします。
インターネットが普及している現在では、多くの人が見るほど拡散の速度もあがるため、計画された台本ではないかと見られています。
イスラーム国にはプロバカンダ専門の部隊も存在し、その精度が非常に高いと評価されています(斬首映像は極端な行動ですが、宣伝用の雑誌などは仕上がりが良いようです)。
機関紙「ダービク」

イスラーム国は今後大きな影響力を持つようになるのか?

ここからは議論になります。
プロバカンダがうまいとはいえ、現状(少なくとも私たち一般人が見る範囲では)アル・カイーダとやっていることは変わりないかと思います。
ただし、「イスラーム国」という名前は非常に紛らわしいです。
実際日本でも「イスラーム国」と「イスラム教徒」をごっちゃにし、差別を行う事例があるようです。
http://toyokeizai.net/articles/-/63745
まだまだイスラーム国に対する対処はできていないようなので、今後もニュースには気をつけましょう。

ちなみに本日のお会計は6人で2080円でした。

2016年8月14日日曜日

「99%の会社はいらない」

ドトール会で、過去、日本のサービスや製品・企業をテーマに論議をした経緯を踏まえ
近年の日本人の中でも特異な人間ホリエモンこと堀江貴文氏にフォーカスを当て、
最新著書の「99%の会社はいらない」を今回取り上げることにしました。

ホリエモンといえば、
テレビやネットでこれでもかという位に露出してたりするので、
彼の言っている言葉を耳にした事はあっても、
対価を払わない限り、メルマガや著書で書かれている肝心な内容というのは、
降りてこないんじゃ?という思いがあり、期待値をMaxにして読んでみた訳です。

著書の中で下記を含む例を挙げているのですが、
その内容を紐解いていくと、今の彼のスタンスが垣間見えてくる気が。。

・本当に「会社」は必要なのか?
・自分の仕事が減るのが怖い
・日本からイノベーションが生まれない理由
・「最適化」で面倒な仕事を減らす
・システムがあれば感情論は要らない
・修行する時間があれば情報収集を
・キングコング西野にみる、惹きつける力
・人は「スキル」に惹きつけられる
イノベーションのジレンマと、本当の幸せの定義

彼は話の冒頭で「99%の会社はいらない」の結論に近い事を、
いきなり書いてしまってるんじゃないかと思わせてくれたりします。

「会社という不思議な枠組みのせいで”がんじがらめ”になってしまうことの方が多い」

この煩わしさを引きずってしまっていたが故に、遠回しに「会社はいらない」とこの著書で書いてるのではないでしょうか。

例えば組織が「書面の電子化」を採用し、印刷物の廃止を決断した場合において、
その組織の中で仕事を無くす人が出てくるという例があるのですが、
従来の古びたシステムからの改善により、新たなリソースが生み出されているというのに、
それを良しとせず、対応することに億劫になったり、自分の仕事が減るのが怖いから、
新しいものを拒むという内容です。

おそらくホリエモン自身がライブドアであった話が例となっていて、
自身の思惑とはズレにズレ、会社と社員へのメリットを甘受出来るチャンスを潰されてしまったという、
会社組織という呪縛に囚われてた状況を嘆いていたんだなと理解させてくれます。

上記を私自身に置き換えると、現在の組織の中でもそういった経緯があったと耳にする事があります。
古き体質を重んじ、イノベーションを受け付けない人間が、近くに実在するとか驚きを隠せませんでした。

その他、HIU『堀江貴文イノベーション大学校』、ドローン・人狼・脱出ゲーム・イケダハヤト、など、
ドトール会で、そういった内容も含めて熱く話したかったのですが、
当日「99%の会社はいらない」を自宅に置き忘れるという失態をしてしまい、
ぼんやりと漠然とした薄い話をYさん頼りで進行してしまい、
現在この記事を書きながら猛省しているところであります。

今回のディスカッションは以上となります。
お代は1790円です。

2016年8月7日日曜日

イノベーションのDNA

 今回のドトール会は、イノベーションのDNAについてです。
 この著書は、「イノベーションのジレンマ」の著者でもある「クレイトン・クリステンセン」氏のほか、共著者である、ジェフー・ダイアー氏とハル・グレーガーゼン氏が破壊的イノベータについてより豊かな理解を得ようとする、8年にもおよぶ研究をもと書かれた本になります。著書の中にも多くのイノベーティブな起業家や企業が紹介されており、この研究をするにあたって、多くのインタービューを取っていることがわかります。

 インタビューと研究から、イノベータには、共通点があるということがわかったそうで、この著書の副題として「破壊的イノベータの5つのスキル」とあるように、本書では、下記の5つのスキルについて、実例を交えながら解説されています。
  1. 関連づける力
  2. 質問力
  3. 観察力
  4. ネットワーク力
  5. 実験力
今回のドトール会では、その中でも先ず実践すべきこととして、「質問力」について焦点を当てて、話し合いをしました。昔は、ベストであったものが今でもベストは限らないし、思い切った発想の転換が必要になる時がきます。その転換のきっかけを与えてくれるのが、まさに「質問」だと思っています。

 この著書の中では4つの質問の方法について記述されています。
  1. 「いまどうなのか」の質問をする
  2. 「なぜこうなった?」の質問をする
  3. 「なぜなのか?」「なぜ違うのか?」の質問をする
  4. 「もし〜だったら」の質問をする
    1. 制約を加える「もし〜だったら」
    2. 制約を取り除く「もし〜だったら」
 私が所属している会社でも、決められたことや、過去の実例に従い、確実に実行できる人はそれなりにいます。ただ、決められたことや過去の習わしに疑問を持って、取り組んでいる人は残念ながら少ないです。つまり、それは、成長、進歩や改善の鈍化の始まりだと思っています。
 この「質問」に関連して、私は大きく2つのことに注意をしています。
 一つ目は、「今のやり方、あり方に常に質問を投げかける」です。つい、現状がそれなりに回っているとこれでよいと思ってしまいます。しかし、本当にそうだろうか、もっとうまいやり方はないのだろうかと意識的に思うようにしています。成長し続けるためには、毎日何か改善したり、新しい取り組みをし続けなければならないからです。
 二つ目は、「他人の指摘や質問に対して、真摯に耳を傾ける」です。実は、これは意外と難しいことです。例えば、会社の運用プロセスを自分が構築し、うまく回っているとします。その自分の構築したプロセスに新しく入社してきた人が、より良い指摘やなぜこんなことをしなくてはならないのか、などの疑問をぶつけてきた場合に自分の成果を否定されていると思い、それを受け入れることができない心理が働いてしまうことがあると思います。たとえ、その指摘や質問が、よりよい成長を促し、よい方向へと変化するチャンスとなるにも関わらずです。(年長者や在籍期間の長い管理職に見られる傾向で、老害と言ってもよいかもしれません。)

 最後に、今回の会の締めくくりとして、宇宙に衝撃を与えるまでとはいかないかもしれないが、この本に書かれているとおり、先ずは行動を変えるところから始めようとなりました。その一歩は、はじめは煙たがられることもあるかもしれないが、「現状に異議を唱える」、「質問をする」というイノベーションに取り組む勇気をもっていこうということです。

 今回のディスカッションは以上となります。ドトール様へは、920円をお支払いしました。



2016年8月4日木曜日

ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード

D会第3回は「ゲームの今」を選びました。
今とは言いつつ2015年2月が初版ですので、PlayStationVRやポケモンGOなど最新の話題はさすがに拾えていませんが…
それでもこの書籍を選んだのは、以下2つの理由からです。

ゲームについて語る時、昔の知識で語ってしまう

本書の冒頭でも言われていることで、ほぼ同意です。
この本では「ゲームと◯◯」のような形で、ゲームにまつわる様々なジャンルが語られています。
興味のあるところを拾い読むだけでも「ゲームって今こんなことになってるのか」と、
自分の知識や感覚を更新していくことができると思います。

ゲームは総合エンターテイメント

著者いわく「広く浅く」がテーマだそうで、全く専門外のジャンルであれば
概要の紹介に留めてくれるのはむしろありがたいです。
私にとってはサウンドやグラフィックスの分野がまさにそうでした。

なお当日、実際にディスカッションを始めてみたところ、D会のメンバーはコアな方のゲーマーからそうでない人まで、
プレイヤーとしての温度差は様々で、そんな面々だからか、今現在最も触れる機会が多いであろうモバイルゲームの話題に収束していきました。

本著でもあちこちで取り上げられるモバイル…というかスマートフォンゲームですが、数年前から主な潮流だったネイティブアプリから、
ブラウザ上で実行、もしくはダウンロードするタイプのアプリでも実際はwebviewでhtml+jsを実行させるタイプのゲームが増えつつあるそうです。

AppleなりGoogleなりの審査をいちいち待っていては、アプリの迅速なアップデートなどできるわけもありませんし
html+jsの表現力も数年前と比べて向上しましたので、少し考えてみれば自然な流れかと思います。

なお私は主にブラウザゲームを遊んでいましたが、ブラウザゲームは主にFlashで実装されていました。
Perl+CGIで築かれたサーバサイドの遺産がPHPやRubyに少しずつ侵食されていったように、Flashゲームも少しずつ
モバイルと合わせてjsに置き換えられていくのかな…と感じています。

今回のディスカッションは以上です。
お代は1790円でした。